事業用電気通信設備規則 (定義) 第三条  この規則において使用する用語は、電気通信事業法において使用する用語の例による。 2  この規則の規定の解釈については、次の定義に従うものとする。 一  「事業用電気通信回線設備」とは、電気通信事業法第四十一条第一項 に規定する電気通信設備のうち、電気通信回線設備をいう。 二  「音声伝送役務」とは、電気通信事業法施行規則 第二条第二項第一号 に規定する音声伝送役務をいう。 三  「専用役務」とは、電気通信事業法施行規則第二条第二項第三号 に規定する専用役務をいう。 四  「アナログ電話用設備」とは、事業用電気通信回線設備及び電気通信事業法第四十一条第二項 に規定する電気通信設備のうち、端末設備又は自営電気通信設備(以下「端末設備等」という。)を接続する点においてアナログ信号を入出力するものであって、主として音声の伝送交換を目的とする電気通信役務の提供の用に供するものをいう。 五  「総合デジタル通信用設備」とは、事業用電気通信回線設備のうち、主として六四キロビット毎秒を単位とするデジタル信号の伝送速度により、符号、音声その他の音響又は影像を統合して伝送交換することを目的とする電気通信役務の提供の用に供するものをいう。 六  「インターネットプロトコル電話用設備」とは、事業用電気通信回線設備のうち、端末設備等をインターネットプロトコルを使用してパケット交換網に接続するものであって、音声伝送役務の提供の用に供するものをいう。 七  「携帯電話用設備」とは、事業用電気通信回線設備のうち、無線設備規則 第三条第一号 に規定する携帯無線通信による電気通信役務の提供の用に供するものをいう。 七の二  「PHS用設備」とは、事業用電気通信回線設備のうち、電波法施行規則 第六条第四項第六号 に規定するPHSの陸上移動局との間で行われる無線通信による電気通信役務の提供の用に供するものをいう。 八  「直流回路」とは、電気通信回線設備に接続して電気通信事業者の交換設備の動作の開始及び終了の制御を行うための回路をいう。 九  「絶対レベル」とは、一の皮相電力の一ミリワットに対する比をデシベルで表したものをいう。 (予備機器等) 第四条  通信路の設定に直接係る交換設備の機器は、その機能を代替することができる予備の機器の設置若しくは配備の措置又はこれに準ずる措置が講じられ、かつ、その損壊又は故障の発生時に当該予備の機器に速やかに切り替えられるようにしなければならない。ただし、次の各号に掲げる機器については、この限りでない。 一  端末回線を当該交換設備に接続するための機器 二  当該交換設備の故障等の発生時に、他の交換設備によりその疎通が確保できる交換設備の機器 2  伝送路設備には、予備の電気通信回線を設置しなければならない。ただし、次の各号に掲げるものについては、この限りでない。 一  端末回線その他専ら特定の一の者の通信を取り扱う区間に使用するもの 二  有線テレビジョン放送施設の線路と同一の線路のうち端末設備等と専用設備を収容する建築物との間において使用するもの 三  当該伝送路設備の故障等の発生時に、他の伝送路設備によりその疎通が確保できるもの 3  伝送路設備において当該伝送路設備に設けられた電気通信回線に共通に使用される機器は、その機能を代替することができる予備の機器の設置若しくは配備の措置又はこれに準ずる措置が講じられ、かつ、その故障等の発生時に当該予備の機器に速やかに切り替えられるようにしなければならない。 4  交換設備相互間を接続する伝送路設備は、なるべく複数の経路により設置されなければならない。 語句詳細説明部分 損壊又は故障 「故障等」 端末回線 端末設備等と交換設備との間の電気通信回線をいう 有線テレビジョン放送施設 有線テレビジョン放送法 第二条第二項 に規定する有線テレビジョン放送施設及びこれに接続される受信設備をいう。 有線テレビジョン放送施設の線路 有線電気通信法 第二条第二項 に規定する有線電気通信設備であって、他の電気通信事業者により提供されるものを除く 専用設備 (専用役務の提供の用に供する事業用電気通信回線設備をいう。) 建築物(第十五条の建築物をいう。) (故障検出) 第五条  事業用電気通信回線設備は、電源停止、共通制御機器の動作停止その他電気通信役務の提供に直接係る機能に重大な支障を及ぼす故障等の発生時には、これを直ちに検出し、当該事業用電気通信回線設備を維持し、又は運用する者に通知する機能を備えなければならない。 (事業用電気通信回線設備の防護措置) 第六条  事業用電気通信回線設備は、利用者又は他の電気通信事業者の電気通信設備から受信したプログラムによつて当該事業用電気通信回線設備が当該事業用電気通信回線設備を設置する電気通信事業者の意図に反する動作を行うことその他の事由により電気通信役務の提供に重大な支障を及ぼすことがないよう当該プログラムの機能の制限その他の必要な防護措置が講じられなければならない。 (試験機器及び応急復旧機材の配備) 第七条  事業用電気通信回線設備の工事、維持又は運用を行う事業場には、当該事業用電気通信回線設備の点検及び検査に必要な試験機器の配備又はこれに準ずる措置がなされていなければならない。 2  事業用電気通信回線設備の工事、維持又は運用を行う事業場には、当該事業用電気通信回線設備の故障等が発生した場合における応急復旧工事、臨時の電気通信回線の設置、電力の供給その他の応急復旧措置を行うために必要な機材の配備又はこれに準ずる措置がなされていなければならない。 (異常ふくそう対策) 第八条  交換設備は、異常ふくそう(特定の交換設備に対し通信が集中することにより、交換設備の通信の疎通能力が継続して著しく低下する現象をいう。)が発生した場合に、これを検出し、かつ、通信の集中を規制する機能又はこれと同等の機能を有するものでなければならない。ただし、通信が同時に集中することがないようこれを制御することができる交換設備については、この限りでない。 (耐震対策) 第九条  事業用電気通信回線設備の据付けに当たつては、通常想定される規模の地震による転倒又は移動を防止するため、床への緊結その他の耐震措置が講じられなければならない。 2  事業用電気通信回線設備は、通常想定される規模の地震による構成部品の接触不良及び脱落を防止するため、構成部品の固定その他の耐震措置が講じられたものでなければならない。 3  その故障等により電気通信役務の提供に直接係る機能に重大な支障を及ぼすおそれのある事業用電気通信回線設備に関する前二項の耐震措置は、大規模な地震を考慮したものでなければならない。 (電源設備) 第十条  事業用電気通信回線設備の電源設備は、平均繁忙時に事業用電気通信回線設備の消費電流を安定的に供給できる容量があり、かつ、供給電圧又は供給電流を常に事業用電気通信回線設備の動作電圧又は動作電流の変動許容範囲内に維持できるものでなければならない。 2  事業用電気通信回線設備の電力の供給に直接係る電源設備の機器(自家用発電機及び蓄電池を除く。)は、その機能を代替することができる予備の機器の設置若しくは配備の措置又はこれに準ずる措置が講じられ、かつ、その故障等の発生時に当該予備の機器に速やかに切り替えられるようにしなければならない。 語句詳細説明部分 平均繁忙時 一日のうち年間を平均して電気通信設備の負荷が最大となる連続した一時間をいう (停電対策) 第十一条  事業用電気通信回線設備は、通常受けている電力の供給が停止した場合においてその取り扱う通信が停止することのないよう自家用発電機又は蓄電池の設置その他これに準じる措置(交換設備にあっては、自家用発電機及び蓄電池の設置その他これに準じる措置)が講じられていなければならない。 (誘導対策) 第十二条  線路設備は、キョウ電流電線からの電磁誘導作用により事業用電気通信回線設備の機能に重大な支障を及ぼすおそれのある異常電圧又は異常電流が発生しないように設置しなければならない。 (防火対策等) 第十三条  事業用電気通信回線設備を収容し、又は設置する通信機械室は、自動火災報知設備及び消火設備が適切に設置されたものでなければならない。 2  事業用電気通信回線設備を収容し、又は設置し、かつ、当該事業用電気通信回線設備を工事、維持又は運用する者が立ち入る通信機械室に代わるコンテナ等の構造物(以下「コンテナ等」という。)及びとう道は、自動火災報知設備の設置及び消火設備の設置その他これに準ずる措置が講じられたものでなければならない。 3  事業用電気通信回線設備を収容し、又は設置する通信機械室、コンテナ等及びとう道において、他の電気通信事業者に電気通信設備を設置する場所を提供する場合は、当該電気通信設備が発火等により他の電気通信設備に損傷を与えないよう措置されたものであることを当該他の電気通信事業者からその旨を記載した書面の提出を受ける方法その他の方法により確認しなければならない。 (屋外設備) 第十四条  屋外に設置する電線(その中継器を含む。)、空中線及びこれらの附属設備並びにこれらを支持し又は保蔵するための工作物(次条の建築物を除く。次項において「屋外設備」という。)は、通常想定される気象の変化、振動、衝撃、圧力その他その設置場所における外部環境の影響を容易に受けないものでなければならない。 2  屋外設備は、公衆が容易にそれに触れることができないように設置されなければならない。 (事業用電気通信回線設備を設置する建築物等) 第十五条  事業用電気通信回線設備を収容し、又は設置する建築物及びコンテナ等は、次の各号に適合するものでなければならない。 一  風水害その他の自然災害及び火災の被害を容易に受けない環境に設置されたものであること。 ただし、やむを得ず設置されたもので、防水壁又は防火壁の設置その他の必要な防護措置が講じられているものは、この限りでない。 二  当該事業用電気通信回線設備を安全に設置することができる堅固で耐久性に富むものであること。 三  当該事業用電気通信回線設備が安定に動作する温度および湿度を維持することができること。 四  当該事業用電気通信回線設備を収容し、又は設置する通信機械室に、公衆が容易に立ち入り、又は公衆が容易に事業用電気通信回線設備に触れることができないよう施錠その他必要な措置が講じられていること。 (有線テレビジョン放送施設の線路と同一の線路を使用する事業用電気通信回線設備) 第十五条の二  有線テレビジョン放送施設の線路と同一の線路を使用する事業用電気通信回線設備は、次の各号に適合するものでなければならない。 一  事業用電気通信回線設備と有線テレビジョン放送設備との責任の分界を明確にするため、有線テレビジョン放送設備との間に分界点を有すること。 二  分界点において有線テレビジョン放送設備を切り離せること。 三  分界点において有線テレビジョン放送設備を切り離し又はこれに準ずる方法により当該事業用電気通信回線設備の正常性を確認できる措置が講じられていること。 四  利用者が端末設備等を接続する点と有線テレビジョン放送施設の受信者端子との間の分離度は二五デシベル以上であること。ただし、これらが同一の構内(これに準ずる区域内を含む。)又は同一の建物内にある場合は、この限りでない。 語句詳細説明部分 有線テレビジョン放送施設のうち第四条第二項第二号の線路以外の有線電気通信設備(以下この条において「有線テレビジョン放送設備」という。) 受信者端子 有線テレビジョン放送法施行規則 第二条第五号 の受信者端子をいう。 (通信内容の秘匿措置) 第十七条  事業用電気通信回線設備は、利用者が端末設備等を接続する点において、他の通信の内容が電気通信設備の通常の使用の状態で判読できないように必要な秘匿措置が講じられなければならない。 2  有線テレビジョン放送施設の線路と同一の線路を使用する事業用電気通信回線設備は、電気通信事業者が、有線テレビジョン放送の受信設備を接続する点において、通信の内容が有線テレビジョン放送の受信設備の通常の使用の状態で判読できないように必要な秘匿措置が講じられなければならない。 (機能障害の防止) 第二十条  事業用電気通信回線設備は、接続設備の機能に障害を与えるおそれのある電気信号又は光信号を送出するものであってはならない。 (漏えい対策) 第二十条の二  電気通信事業者は、総務大臣が別に告示するところに従い端末設備等と交換設備又は専用設備との間の電気通信回線に伝送される信号の漏えいに関し、あらかじめ基準を定め、その基準を維持するように努めなければならない。 2  前項の基準については、遅滞なく総務大臣に届け出なければならない。これを変更しようとする場合も同様とする。 (保安装置) 第二十一条  落雷又はキョウ電流電線との混触により線路設備に発生した異常電圧及び異常電流によつて接続設備を損傷するおそれのある場合は、交流五〇〇ボルト以下で動作する避雷器及び七アンペア以下で動作するヒユーズ若しくは五〇〇ミリアンペア以下で動作する熱線輪からなる保安装置又はこれと同等の保安機能を有する装置が事業用電気通信回線設備と接続設備を接続する点又はその近傍に設置されていなければならない。 (分界点) 第二十三条  事業用電気通信回線設備は、他の電気通信事業者の接続する電気通信設備との責任の分界を明確にするため、他の電気通信事業者の電気通信設備との間に分界点を有しなければならない。 2  事業用電気通信回線設備は、分界点において他の電気通信事業者が接続する電気通信設備から切り離せるものでなければならない。 (機能確認) 第二十四条  事業用電気通信回線設備は、分界点において他の電気通信設備を切り離し又はこれに準ずる方法により当該事業用電気通信回線設備の正常性を確認できる措置が講じられていなければならない。 (電源供給) 第二十七条  事業用電気通信回線設備は、第三十一条に規定する呼出信号の送出時を除き、端末設備等を接続する点において次の各号に掲げる条件に適合する通信用電源を供給しなければならない。 一  端末設備等を切り離した時の線間電圧が四十二ボルト以上かつ五十三ボルト以下であること。 二  両線間を三〇〇オームの純抵抗で終端した時の回路電流が一五ミリアンペア以上であること。 三  両線間を五〇オームの純抵抗で終端した時の回路電流が一三〇ミリアンペア以下であること。 (信号極性) 第二十八条  事業用電気通信回線設備は、次条に規定する発呼信号を受信できる状態において、前条で規定する電源の極性を端末設備等を接続する点において一方を地気(接地の電位をいう。)、他方を負極性としなければならない。 (監視信号受信条件) 第二十九条  事業用電気通信回線設備は、端末設備等を接続する点において当該端末設備等が送出する次の監視信号を受信し、かつ、認識できるものでなければならない。 一  端末設備等から発信を行うため、当該端末設備等の直流回路を閉じて三〇〇オーム以下の直流抵抗値を形成することにより送出する監視信号(以下「発呼信号」という。) 二  端末設備等において当該端末設備等への着信に応答するため、当該端末設備等の直流回路を閉じて三〇〇オーム以下の直流抵抗値を形成することにより送出する監視信号(以下「端末応答信号」という。) 三  発信側の端末設備等において通話を終了するため、当該端末設備等の直流回路を開いて一メガオーム以上の直流抵抗値を形成することにより送出する監視信号(以下「切断信号」という。) 四  着信側の端末設備等において通話を終了するため、当該端末設備等の直流回路を開いて一メガオーム以上の直流抵抗値を形成することにより送出する監視信号(以下「終話信号」という。)  監視信号受信条件のまとめ 発呼信号、端末応答信号は、直流回路を閉じて三〇〇オーム以下の直流抵抗 切断信号、終話信号は直流回路を開いて一メガオーム以上の直流抵抗 (その他の信号送出条件) 第三十二条  事業用電気通信回線設備は、次に掲げる場合は可聴音(耳で聴くことが可能な特定周波数の音をいう。)又は音声によりその状態を発信側の端末設備等に対して通知しなければならない。 一  端末設備等が送出する発呼信号を受信した後、選択信号を受信することが可能となつた場合 二  接続の要求をされた着信側の端末設備等を呼出し中である場合 三  接続の要求をされた着信側の端末設備等が着信可能な状態でない場合又は接続の要求をされた着信側の端末設備等への接続が不可能な場合 (接続品質) 第三十五条  事業用電気通信回線設備の接続品質は、基礎トラヒツク(一日のうち、一年間を平均して呼量(一時間に発生した呼の保留時間の総和を一時間で除したものをいう。)が最大となる連続した一時間について一年間の呼量及び呼数の最大のものから順に三〇日分の呼量及び呼数を抜き取つてそれぞれ平均した呼量及び呼数又はその予測呼量及び予測呼数をいう。)について、次の各号に適合しなければならない。 一  事業用電気通信回線設備が発呼信号を受信した後、選択信号を受信可能となるまでの時間が三秒以上となる確率が〇・〇一以下であること。 二  事業用電気通信回線設備が選択信号を受信した後、着信側の端末設備等に着信するまでの間に一の電気通信事業者の設置する事業用電気通信回線設備により呼が損失となる確率が〇・一五以下であること。 三  本邦外の場所に対して発信を行う場合にあっては、事業用電気通信回線設備が選択信号を受信した後、国際中継回線(国際交換設備(本邦外の場所への発信又は本邦外からの着信を行う機能を有する交換設備をいう。)と本邦外の場所の交換設備相互間の電気通信回線をいう。)を捕捉するまでの間に一の電気通信事業者の設置する事業用電気通信回線設備により呼が損失となる確率が〇・一以下であること。 四  本邦外の場所からの着信を行う場合は、事業用電気通信回線設備が着信を受け付けた後、着信側の端末設備等に着信するまでの間に一の電気通信事業者の設置する事業用電気通信回線設備により呼が損失となる確率が〇・一一以下であること。 五  事業用電気通信回線設備が選択信号送出終了を検出した後、発信側の端末設備等に対して着信側の端末設備等を呼び出し中であること又は着信側の端末設備等が着信可能な状態でないことの通知までの時間が三〇秒以下であること。ただし、二以上の電気通信事業者の設置する事業用電気通信回線設備を介する通信を行う場合及び本邦外の場所との間の通信を行う場合は、この限りでない。 端末設備等規則 第一章 総則 (定義) 第二条  この規則において使用する用語は、法において使用する用語の例による。 2  この規則の規定の解釈については、次の定義に従うものとする。 一  「電話用設備」とは、電気通信事業の用に供する電気通信回線設備であって、主として音声の伝送交換を目的とする電気通信役務の用に供するものをいう。 二  「アナログ電話用設備」とは、電話用設備であって、端末設備又は自営電気通信設備を接続する点においてアナログ信号を入出力とするものをいう。 三  「アナログ電話端末」とは、端末設備であって、アナログ電話用設備に接続される点において二線式の接続形式で接続されるものをいう。 四  「移動電話用設備」とは、電話用設備であって、端末設備又は自営電気通信設備との接続において電波を使用するものをいう。 五  「移動電話端末」とは、端末設備であって、移動電話用設備に接続されるものをいう。 六  「無線呼出用設備」とは、電気通信事業の用に供する電気通信回線設備であって、無線によつて利用者に対する呼出し(これに付随する通報を含む。)を行うことを目的とする電気通信役務の用に供するものをいう。 七  「無線呼出端末」とは、端末設備であって、無線呼出用設備に接続されるものをいう。 八  「総合デジタル通信用設備」とは、電気通信事業の用に供する電気通信回線設備であって、主として六四キロビット毎秒を単位とするデジタル信号の伝送速度により、符号、音声その他の音響又は影像を統合して伝送交換することを目的とする電気通信役務の用に供するものをいう。 九  「総合デジタル通信端末」とは、端末設備であって、総合デジタル通信用設備に接続されるものをいう。 十  「専用通信回線設備」とは、電気通信事業の用に供する電気通信回線設備であって、特定の利用者に当該設備を専用させる電気通信役務の用に供するものをいう。 十一  「デジタルデータ伝送用設備」とは、電気通信事業の用に供する電気通信回線設備であって、デジタル方式により、専ら符号又は影像の伝送交換を目的とする電気通信役務の用に供するものをいう。 十二  「専用通信回線設備等端末」とは、端末設備であって、専用通信回線設備又はデジタルデータ伝送用設備に接続されるものをいう。 十三  「発信」とは、通信を行う相手を呼び出すための動作をいう。 十四  「応答」とは、電気通信回線からの呼出しに応ずるための動作をいう。 十五  「選択信号」とは、主として相手の端末設備を指定するために使用する信号をいう。 十六  「直流回路」とは、端末設備又は自営電気通信設備を接続する点において二線式の接続形式を有するアナログ電話用設備に接続して電気通信事業者の交換設備の動作の開始及び終了の制御を行うための回路をいう。 十七  「絶対レベル」とは、一の皮相電力の一ミリワットに対する比をデシベルで表したものをいう。 十八  「通話チヤネル」とは、移動電話用設備と移動電話端末の間に設定され、主として音声の伝送に使用する通信路をいう。 十九  「制御チヤネル」とは、移動電話用設備と移動電話端末の間に設定され、主として制御信号の伝送に使用する通信路をいう。 二十  「呼設定用メッセージ」とは、呼設定メッセージ又は応答メッセージをいう。 二十一  「呼切断用メッセージ」とは、切断メッセージ、解放メッセージ又は解放完了メッセージをいう。 (第二条 定義)のまとめ アナログ電話端末は二線式 総合デジタル通信用設備は主に六四キロビット毎秒で符号、音声その他の音響又は影像を統合して伝送交換する 絶対レベルとは皮相電力の一ミリワットに対する比。単位はデシベル 第二章 責任の分界 (責任の分界) 第三条  利用者の接続する端末設備は、事業用電気通信設備との責任の分界を明確にするため、事業用電気通信設備との間に分界点を有しなければならない。 2  分界点における接続の方式は、端末設備を電気通信回線ごとに事業用電気通信設備から容易に切り離せるものでなければならない。 第三章 安全性等 (漏えいする通信の識別禁止) 第四条  端末設備は、事業用電気通信設備から漏えいする通信の内容を意図的に識別する機能を有してはならない。 (鳴音の発生防止) 第五条  端末設備は、事業用電気通信設備との間で鳴音(電気的又は音響的結合により生ずる発振状態をいう。)を発生することを防止するために総務大臣が別に告示する条件を満たすものでなければならない。 (絶縁抵抗等) 第六条  端末設備の機器は、その電源回路と筐体及びその電源回路と事業用電気通信設備との間に次の絶縁抵抗及び絶縁耐力を有しなければならない。 一  絶縁抵抗は、使用電圧が三〇〇ボルト以下の場合にあっては、〇・二メガオーム以上であり、三〇〇ボルトを超え七五〇ボルト以下の直流及び三〇〇ボルトを超え六〇〇ボルト以下の交流の場合にあっては、〇・四メガオーム以上であること。 二  絶縁耐力は、使用電圧が七五〇ボルトを超える直流及び六〇〇ボルトを超える交流の場合にあっては、その使用電圧の一・五倍の電圧を連続して一〇分間加えたときこれに耐えること。 2  端末設備の機器の金属製の台及び筐体は、接地抵抗が一〇〇オーム以下となるように接地しなければならない。ただし、安全な場所に危険のないように設置する場合にあっては、この限りでない。 (過大音響衝撃の発生防止) 第七条  通話機能を有する端末設備は、通話中に受話器から過大な音響衝撃が発生することを防止する機能を備えなければならない。 (配線設備等) 第八条  利用者が端末設備を事業用電気通信設備に接続する際に使用する線路及び保安器その他の機器(以下「配線設備等」という。)は、次の各号により設置されなければならない。 一  配線設備等の評価雑音電力は、絶対レベルで表した値で定常時においてマイナス六四デシベル以下であり、かつ、最大時においてマイナス五八デシベル以下であること。 二  配線設備等の電線相互間及び電線と大地間の絶縁抵抗は、直流二〇〇ボルト以上の一の電圧で測定した値で一メガオーム以上であること。 三  配線設備等とキョウ電流電線との関係については有線電気通信設備令 第十一条 から第十五条 まで及び第十八条 に適合するものであること。 四  事業用電気通信設備を損傷し、又はその機能に障害を与えないようにするため、総務大臣が別に告示するところにより配線設備等の設置の方法を定める場合にあっては、その方法によるものであること。 語句補足 評価雑音電力 通信回線が受ける妨害であって人間の聴覚率を考慮して定められる実効的雑音電力をいい、誘導によるものを含む。 (端末設備内において電波を使用する端末設備) 第九条  端末設備を構成する一の部分と他の部分相互間において電波を使用する端末設備は、次の各号の条件に適合するものでなければならない。 一  総務大臣が別に告示する条件に適合する識別符号(端末設備に使用される無線設備を識別するための符号であって、通信路の設定に当たつてその照合が行われるものをいう。)を有すること。 二  使用する電波の周波数が空き状態であるかどうかについて、総務大臣が別に告示するところにより判定を行い、空き状態である場合にのみ通信路を設定するものであること。ただし、総務大臣が別に告示するものについては、この限りでない。 三  使用される無線設備は、一の筐体に収められており、かつ、容易に開けることができないこと。ただし、総務大臣が別に告示するものについては、この限りでない。 第四章 電話用設備に接続される端末設備  第一節 アナログ電話端末 (基本的機能) 第十条  アナログ電話端末の直流回路は、発信又は応答を行うとき閉じ、通信が終了したとき開くものでなければならない。 (発信の機能) 第十一条  アナログ電話端末は、発信に関する次の機能を備えなければならない。 一  自動的に選択信号を送出する場合にあっては、直流回路を閉じてから三秒以上経過後に選択信号の送出を開始するものであること。ただし、電気通信回線からの発信音又はこれに相当する可聴音を確認した後に選択信号を送出する場合にあっては、この限りでない。 二  発信に際して相手の端末設備からの応答を自動的に確認する場合にあっては、電気通信回線からの応答が確認できない場合選択信号送出終了後二分以内に直流回路を開くものであること。 三  自動再発信(応答のない相手に対し引き続いて繰り返し自動的に行う発信をいう。)を行う場合(自動再発信の回数が一五回以内の場合を除く。)にあっては、その回数は最初の発信から三分間に二回以内であること。この場合において、最初の発信から三分を超えて行われる発信は、別の発信とみなす。 四  前号の規定は、火災、盗難その他の非常の場合にあっては、適用しない。 (第十一条 発信の機能)まとめ 自動的に選択信号を送出する場合は3秒以上経過が必要 発信の際、相手端末設備の応答を自動的に確認する場合で、応答確認できない場合は2分以内に直流回線を開く。 応答のない相手にたいする自動再発信は最初の3分間に2回以内。3分を超えた発信は別のものとする。自動再発信の回数が一五回以内を除く 第五章 無線呼出用設備に接続される端末設備 (特殊な無線呼出端末) 第三十四条  無線呼出端末のうち、前条の規定によることが著しく不合理なものであって総務大臣が別に告示するものは、同条の規定にかかわらず、総務大臣が別に告示する条件に適合するものでなければならない。 第六章 総合デジタル通信用設備に接続される端末設備 (基本的機能) 第三十四条の二  総合デジタル通信端末は、次の機能を備えなければならない。ただし、総務大臣が別に告示する場合はこの限りでない。 一  発信又は応答を行う場合にあっては、呼設定用メッセージを送出するものであること。 二  通信を終了する場合にあっては、呼切断用メッセージを送出するものであること。 (発信の機能) 第三十四条の三  総合デジタル通信端末は、発信に関する次の機能を備えなければならない。 一  発信に際して相手の端末設備からの応答を自動的に確認する場合にあっては、電気通信回線からの応答が確認できない場合呼設定メッセージ送出終了後二分以内に呼切断用メッセージを送出するものであること。 二  自動再発信を行う場合(自動再発信の回数が一五回以内の場合を除く。)にあっては、その回数は最初の発信から三分間に二回以内であること。この場合において、最初の発信から三分を超えて行われる発信は、別の発信とみなす。 三  前号の規定は、火災、盗難その他の非常の場合にあっては、適用しない。 (電気的条件等) 第三十四条の四  総合デジタル通信端末は、総務大臣が別に告示する電気的条件及び光学的条件のいずれかの条件に適合するものでなければならない。 2  総合デジタル通信端末は、電気通信回線に対して直流の電圧を加えるものであってはならない。 (アナログ電話端末等と通信する場合の送出電力) 第三十四条の五  総合デジタル通信端末がアナログ電話端末等と通信する場合にあっては、通話の用に供する場合を除き、総合デジタル通信用設備とアナログ電話用設備との接続点においてデジタル信号をアナログ信号に変換した送出電力は、別表第五号のとおりとする。 (特殊な総合デジタル通信端末) 第三十四条の六  総合デジタル通信端末のうち、第三十四条の二から前条までの規定によることが著しく不合理なものであって総務大臣が別に告示するものは、これらの規定にかかわらず、総務大臣が別に告示する条件に適合するものでなければならない。 第七章 専用通信回線設備又はデジタルデータ伝送用設備に接続される端末設備 (電気的条件等) 第三十四条の七  専用通信回線設備等端末は、総務大臣が別に告示する電気的条件及び光学的条件のいずれかの条件に適合するものでなければならない。 2  専用通信回線設備等端末(光伝送路インタフェースのデジタル端末を除く。)は、電気通信回線に対して直流の電圧を加えるものであってはならない。ただし、前項に規定する総務大臣が別に告示する条件において直流重畳が認められる場合にあっては、この限りでない。 (漏話減衰量) 第三十四条の八  複数の電気通信回線と接続される専用通信回線設備等端末の回線相互間の漏話減衰量は、一、五〇〇ヘルツにおいて七〇デシベル以上でなければならない。